契約書に要注意!オーナーと揉めてドタバタ引っ越しした話①のつづきです。
2020年8月、4年ぶりにマニラで引っ越しをしたのですが、ドタバタになったというトラブル記録。
前編では、ブローカーとのやりとりで不信感を持ったきっかけからオーナーとの直接交渉のなかで契約更新への迷いが本格的になるところまでの経過を書きました。
後半では引っ越しの経過と、このトラブルでやってよかったこと、やっておけばよかったことを振り返りたいと思います。
5.オーナーがキレる→退去日の交渉
やりとりをするなかで、オーナーがついにしびれをきらし、
「交渉は終わりだ。今日中にサインしなければ、今週中に退去してくれ」
とのメール。
今週中って、実質4日間!
契約書の条件をのむか、引っ越しするかを決断しないといけません。
このタイミングでほぼ条件が合いそうな新しい物件を見つけてはいたものの、内見した段階なので、新居の契約までにタイムロスが生じたら終わり、、
というかなりギリギリの精神状態に。
ただ、夫も私も交渉に疲れていたし、不信感がある状態で1年更新しても次の退去のときに揉めることが目に見えています。
今なら、理不尽な新契約書の条件ではなく退去できるので、もう引っ越してしまおう!と決めました。
でも、4日での退去は無理。。。
→ということで、、退去日の交渉をしました。
家賃を支払っている日より前に追い出されることに納得いかないし!
「わかりました。残念だけど契約更新は白紙にしましょう。
この部屋はとても気に入っているし、オーナーさんは誠実な人だと信じているけれど、ブローカーとのミスコミュニケーションが多くてこの契約書で更新することができません。とても悲しい。
ただ、この部屋を最後まで大事にケアして退去したいので、来週の◯日まで滞在してもよいでしょうか。バタバタで引っ越すと部屋を傷つけてしまうかもしれないし。」
「このロックダウンで外出禁止のこどもと一緒に新居を探すのはとても大変なんです。フィリピンはとても大変な状況です。あなたは優しい人だから理解してくれると信じています」
というかんじで、「急いで追い出したら部屋のダメージが大きくなるかもよ〜」というほのめかしをし、退去日を規定の日にちに変更してもらいました。
6.新居の契約
旧オーナーとの退去の交渉の傍ら、新居の契約を急ピッチで進めます。
新居のブローカーに入居の意思を伝えると同時に契約書のドラフトを送ってもらい、内容を確認。
内容にいくつか変更・確認したい項目があったので依頼→数時間後に訂正されたドラフトが届きました。
新居のブローカー、ちゃんと仕事してくれる人でよかった!
デポジット+Advanced Rent+残りをPDC(先付小切手)で支払うことで条件合意。
ただ、デポジットとアドバンスの現金を1日では用意できないので、デポジットのみとりあえずCashで、アドバンスは振り込みにしたいと交渉。
→デポジットのみで契約書のサインに至りました。
強制退去のメールから、新居の契約まで丸1日。
デポジットとアドバンスを一括現金で支払ってね〜、と言われたときは
「詰んだ、、現金を用意できなくて入居断られたら家なし子や、、(= =)」
というかなりすさんだ精神状態になっていました。
7.引っ越し手配
一気に引っ越し手配です。ターゲットの日を決め、準備をしました。
やったことをまとめると、、
- 日系引越し業者に日程、見積もり確認→スケジュールがタイトでNG
- 日系配送業者やローカル引越し業者に手当たり次第にメール
- 知り合いで引っ越しを手伝ってくれる人を探す→新居のオーナーさんにいざとなったら車を貸してもらえることに
- 旧居のダメージ修復の業者を探す→依頼
- COVID19のRapid testを予約→翌日に検査を受ける(私、夫、メイドさん)
- 新居の鍵の受け取り
- 新居のアドミンとやりとりし、必要書類の提出や手続きをすすめる
- 新居の不具合がないか確認→オーナーさんに報告しメンテナンス手配
- 引越し業者決定→細かいやりとり(ドライバーや車種の情報など)
- Gate Passの準備
- ダンボール手配
- 荷造り
新居契約から引越し業者決めまで3日かかりました。
また、祝日を挟んだ週だったので、平日に動かないといけない要件(アドミン関連)を優先的に組み立てるなど、頭をフル回転して動き回ることに。
この間、いろんな方の情報や温かい声かけをいただき、すさんだ心に光が差し込みました。ありがとうございます。(T^T)
引越し業者探しについてはこちらの記事もご覧ください。
>>【フィリピン国内引越】近距離移動したいときの引っ越し業者の探し方
COVID19のRapid testは、抗体検査のこと。成人は提出するように言われ、Medical Cityの出張サービスで受けました。(02-89881000, local 6122)
コンドまで来てくれて2000ペソ/日。午前中に受けて夜に検査結果がメールで送られてきました。
Gate Passとは、大型の荷物を運び出すとき・運び入れるときに提出する書類。アドミン経由でガードマンなどにシェアされるもの。
(うちの場合は)運び出しのほうが厳しく、オーナーのサインが必要。運び入れはオーナー/ブローカーへ報告+自分のサインのみでOKであることが多かったです。
8.MECQ発表→バタバタの引っ越し
さあ、あとは荷造りのみ!という状況になった日曜日。
近所なので手荷物で運び込めるものをちょこちょこ運びつつ、引っ越しの荷造りを急ピッチで進めていました。
そして翌日、8月3日月曜日。
夜中に8月4日からのMECQ(隔離政策のうち、一段階強いロックダウン)が発表されていました。。。。
えー!!!
ECQでも引っ越しできるというのは経験談としていただいていましたが、
- 引越し業者が室内に入れないケースがある
- 引っ越し業者のRapid Test結果を出せと言われたケースがある
という情報が、、。
両コンドのアドミンにルールを確認する時間的な猶予はなく。
8月3日当日の引っ越しを決断しました。
引越し業者へ連絡をしたところ、
「今日でも引っ越しスタッフは出せるよ〜」
とありがたい言葉。ほんとに来てくれるの?頼むよ?というドキドキはありましたが信じるしかない。
急いで業者情報(車やナンバー、ドライバーの名前を提出しないといけない)を更新し、両アドミン&ブローカー&オーナーさんに今日引っ越しできるか確認。
同時にドタバタで荷造り。
13時、時間通りに引越し業者さんが来てくれました!!
業者さん2名でせっせと運び出し&積み込み&積み下ろし&運び込みをしてくれました。
トータル5時間ほどかかりました。
新居の冷蔵庫の電源を入れていなかったので冷蔵庫、冷凍庫の中身は翌日に自力で運んだりなど取りこぼしはいくつかあったものの、当日決断で夜までになんとか引っ越しを終えることができました。
よかった〜〜。
やってよかったこと・やっておけばよかったこと
今回はロックダウンの最中という厳しいタイミングでの引っ越しでしたが、幸いだったのは「空き物件が多くブローカーが熱心だった」という点。
そして、新居のオーナーさんがとても理解のある人だったという点もラッキーでした。
これは運も良かったな〜と思います。
このトラブルは早々ないと信じたいですが、いくつかギリギリのポイントがあったので振り返りたいと思います。
やってよかったこと
- 引っ越しをするつもりがない時期からBGCの物件の内見を始めていた
- 疑問に感じた契約書のレビューを専門の不動産仲介業者の方に依頼した
- オーナーやブローカーを敵に回すとやっかいなので、下手に出て交渉した
- 常に最悪の事態を考え、プランBを用意した
契約更新のつもりでも、物件の内見をする
更新期限の2週間前、家賃を1万ペソ上げるというオーナーさんからのペライチが来た時点でBGCの物件の内見をいくつか始めていました。
この時点では旧居の契約を更新するつもりだったので、相場を見るのがメインの目的。
ですが、ここでコネクションを持っていたブローカーが最終的にいい仕事をしてくれたので、早めに動いておいてよかった〜と心底思いました。
また、BGCの物件相場がこの時点で下がっており、予算感を夫とすり合わせできていたのは大きかったと思います。
最終的な新居の予算はこの時点からはアップしましたが、ギリギリの強制退去のときに新居を即決できたのは「この家賃でこの部屋は通常はあまり出てこない」ということを知っていたからです。
BGCのコンドミニアムはこの4年間で結構みたので、いつか特徴をまとめたいと思います。
契約書のレビューを専門の仲介業者に依頼した
旧居の新しい契約書について、個人的にひっかかる部分が多かったのですが、客観的にみてどうなのか?という判断のために不動産仲介業者に勤める友人にレビューをお願いしました。
ローカルスタッフと日本人の目、2人から見たコメントをもらえたので大変参考になりました。
内容としてかなり細かすぎる印象がある、この部分は取り入れられている契約書もある、とか、ここはあまり見かけない条件、といった指摘をもらえ、交渉の際に冷静にオーナーサイドにコメントをすることができました。
常に下手に出て交渉した
かなりイライラする、怒り心頭になるような失礼なコメントが来ることも多かったんですが、相手を怒らせても良いことはないので、常に丁寧に交渉を続けました。
具体的には、「〇〇の部分に不安がある」「ここが困っている」「〇〇だと悲しい」「あなたならわかってくれると思いますが、、」という文言を散りばめるというかんじです。
私は交渉ごとに長けているわけではないのでかなりヒヤヒヤでしたが、夫の仕事が忙しすぎる時期だったので、後半はほぼひとりで英語とにらめっこしながらメールをやりとりしました。
今となってはいい経験になりました、、、。
常に最悪の事態を考えプランBを用意する
夫に極度の心配性と言われる私ですが、「これが起こったら困る」ということを常に考える性格なので、悪いことを次々想像して対策を考えていきました。
例えば、、
- 契約更新の交渉が決裂したら困るから引越し先の候補を多く探しておく
- 家が決まらない事態に備えて、荷物だけ保管できるストレージサービスを探す
- ブローカーが詐欺師だったら困るのでライセンスを見せてもらう&会社に所属するブローカーを複数紹介してもらう
- 新居の契約を進める傍ら、万が一に備えて候補物件の内見を続ける
- 引越し業者が来なかったときに備えて配送アプリの使い方をシミュレーションする
などなど。
結果として物件以外は大事に至らなかったのですが、プランBがあると精神的に安定するのでやってよかったです。
やっておけばよかったこと
- アラバンなど、検討の余地に入る場所は引っ越しと関係ない時期に下見をしておけばよかった
- オーナーやブローカーの対応に疑問を感じた時点で引っ越しを決めればよかった
- 日本口座からの送金方法を定期的に調べておけばよかった
- ロックダウン中はある程度手元に現金があると良い
検討の余地に入る場所は事前に下見をしておけばよかった
今回の引っ越しでアラバンもぼんやり視野に入れていて、ブローカーに問い合わせたりしていました。
が、交通手段が限られている時期だったことと、土地勘がないことで紹介された物件が希望に沿うかどうかの判断がつきづらく、時間的なタイトさから内見まで至りませんでした。
将来的にアラバンもいいなーと思っているので、落ち着いている時期に「住む」という視点で遊びにいきたいと考えています。
オーナー/ブローカーに疑問を感じた時点で引っ越しを決めればよかった
この物件のブローカーは2人目なんですが(1人目は詐欺師だった)、対応に疑問を感じた時点で引っ越しを本格的に決めておけばよかったと今となっては思います。
旧居は息子が生まれてからほぼ4年過ごした部屋で、個人的な思い入れが強く決断が遅くなってしまいました。
ロックダウン中でもありできれば動きたくなかったのが当時の本音ですが、1年更新してストレスが続くことを思えば、早く見切りをつけるべきだったと思います。
日本口座からの送金方法を定期的に調べておけばよかった
基本的にペソを最小限しか手元に置いておかない我が家。
今回は新居の契約にまとまった額が必要になったわけですが、私が利用している日本の口座の送金要件が厳しくなっていたり、海外送金システムの本人認証プロセスが増えていたりと、時間がかかってしまいました。
マイナンバーや電話番号認証など日本側のルールが厳しくなってきているので、普段は必要なくても定期的に情報を集めておく必要があると感じました。
ロックダウン中はある程度の現金が手元にあると良い
家の契約だけでなく、引越し業者やアドミンの手続きなど現金が必要な場面が普段よりも多くありました。
我が家の銀行のATMは1日の引き出し上限額があることに加え、ロックダウンにより銀行が長蛇の列になっていたり、近所の支店がクローズしていたり、と大変なことがあったので、普段より多めの現金があると安心だと感じました。
まとめ
新居に引っ越して落ち着いてから振り返ると、精神的なストレスが半端なかった1か月でしたが、人間的に成長できたと思います^^;
(まだ退去後の修理などやいやい言ってくるかもしれないので完全に一件落着とはなっていませんが)
フィリピン生活で関わってきた人は大概いい人だったんですが、こういう合わないケースもあるよね〜と改めて気が引き締まる思いです。
フィリピン生活、期待値コントロールと、早め早めの判断が求められるなと感じた一件でした。
みなさんがこのようなトラブルに合わないことを祈っています。