【マニラ】貸す人も借りる人も要注意!不動産詐欺に巻き込まれた話

マニラで不動産詐欺に巻き込まれた話

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こんにちは。マニラ在住のみふゅ(@mifyu_manila)です。

フィリピン生活、大概のことは驚かなくなってきましたが、昨年から実は詐欺事件に巻き込まれていました。

我が家の金銭的な被害は今のところ免れそうですが、だいぶ振り回されてパワーを消費しました(夫が)。

コンドミニアムの借り手側(うち)としてはレアなケースだと思うんですが、貸す側(オーナー)になるとこういうこともあるのね〜ということで、情報をシェアしたいと思います。

長い記事ですがおつきあいいただければ幸いです!

事件の概要

☆我が家の混乱具合を再現すべく時系列でお送りします。☆

ことの始まりは、昨年の半ば。

夫の携帯電話に見知らぬ番号から怒りの連絡が入る。

Aさん

「家賃をもう◯ヶ月も滞納していて、連絡しても全然返事がないので今月末までに出ていってくれ!」

我が家が借りている部屋のオーナーを名乗る男性(Aさんとします)から、突然の退去命令。

えーーー(゚Д゚;)!!

なんのことやらちんぷんかんぷんな我が家。家賃はちゃんと間違いなく毎月支払ってるはず、、、。

  • 謎①:うちのオーナーは女性のはずでは?
  • 謎②:てことはオーナーを名乗る詐欺?
  • 謎③:なんで夫の番号を知ってるの?

すぐにオーナー(Bさん)とブローカー(Cさん)に連絡し、詳細の確認を試みる。

↓↓

どちらも連絡が取れない。

↓↓

怒りの電話をしてきたAさんもブローカーに連絡を取ってみたところ、連絡がつかないらしい。

↓↓

Aさんとのやりとりを続けてみると、なんやら話が食い違っている。

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結果、以下のことが判明しました。

  • 電話してきたAさんは本物のオーナー
  • 我が家がオーナーだと思って契約書をやりとりしていたBさんはブローカーだった。
  • ブローカーだと思ってやり取りしていたCさんはただの手伝いの人?だった。
  • Bさん(ブローカー)が我が家の家賃を持ってトンズラしたらしい!!!Σ(||゚Д゚||)ガーン

ブローカーが共犯者と一緒に家賃を持ち逃げするという詐欺だったんですねー。

ちなみにこの時点で、

  • オーナーとブローカーがグルになって家賃を倍取りしようとしている

という可能性も考慮した上で対応が始まりました。

が、Bさん(ブローカー)のフェイスブックに、彼女に不動産を任せていたオーナーたちとみられる大量の人からクレームのコメントが入っていたことから、Aさん(オーナー)は被害者のひとりであるとわかりました。

Bさんに騙されたオーナーのなかには日本人の方もいたようです。(;д;)

詐欺の詳細①

☆個人情報が分からない程度にぼかしています。

賃貸契約

うちと詐欺師Bさん・Cさんとの関わりは2016年の賃貸契約のときから。

我が家はサイト経由で物件を探してブローカーと直接やりとりするという方法で賃貸契約をしました。

何件か物件をみせてもらい、何人ものブローカーさんやオーナーさんとお会いして、お部屋の条件やCさんの対応と印象が良かったのでこの物件に決めました。

契約のときに初めて紹介されたのがBさん

物件をほかにもたくさん持っていると言い、日本人のお客さんはきれいに使ってくれるから日本人に貸したい、と気さくに話していました。

契約書にはAさんとBさんの名前。

Bさん

「彼(Aさん)は〇〇(外国)にいるので私が管理しています。」

という説明。

振り返るとこの時点であれ?と思うところですが、旦那さんが外国人・奥さんがフィリピン人というご夫婦で奥さん名義で不動産管理をしているケースはよくあることなので、当時は疑問に思いませんでした。

はじめての契約更新

契約の1年がたち、お部屋のはじめての更新のときに、Bさんから連絡がありました。

Bさん

「アメリカの親戚の家にしばらくバケーションで出かけるので、その前に更新か契約終了か教えてほしい。契約更新なら早めに手続きをしたい」

と。

更新予定日の1ヶ月前くらいだったので、それほど早くもないし、契約更新の手続きを依頼しました。

フィリピンでは更新のタイミングでお互い交渉することが多いと聞いていたので、こちらもいろいろリクエストして条件の合意に至りました。

大型家電の交換を依頼したので、Bさんと一緒に電気屋さんに行って買い物したりも。

そのときも感じがいい人で、親戚に買っていくというお土産を一緒に見たりしました。4ヶ月くらいで帰ってくるという話でした。

こんなタコ焼き(もどき)まで買ってくれたんだよー。タコ入ってなかったけど。

無事に契約更新。

その後Bさんはおそらく渡米(行き先自体が嘘かもしれませんが)。ペストコントロールの費用などでちょこちょこCさんと連絡を取っていましたが、返事が遅いもののやりとりは続いていました。

で。突然の冒頭のAさんからの電話に至ります。

我が家は1回目の更新で家賃を先付け小切手(PDC)での支払いにしており、半年分を前払い、残りの半年分を月々払いという契約にしていました。

これはマニラではわりとスタンダードなほうかな?と思います。

(初回の契約の際は1年の前払いを求められたりしますし、1年前払いする代わりに〇〇を変えて、という借り主側の交渉の条件としても使われたりします。)

その前払いしていた半年分の家賃と、デポジット家賃2ヶ月分(初回契約の際に渡す敷金みたいなもの。契約解除後に修理費を除いて返ってくる)をまるごとBさんが持って消息不明になったという結果です。

その後の対応

オーナーの誤解を解く

Aさん(オーナー)は私たちも疑っていたので、まず私たちが詐欺師とグルではないことや、家賃を正式な手続きで支払っていることを理解してもらわないといけません

こちらには小切手を支払ったサイン入りの証拠もありますが、Aさんは外国にいるのですべてメールでのやりとり。

証明書があってもメールの添付ファイルだと疑心暗鬼になりますよね、、。Aさんの気持ちもわかります。

夫が会社のスタッフさんや弁護士さんの力も借りつつ、Bさんが騙したのはAさんだけでなく他にもたくさん被害に合っている人がいることなどを説明し、私たちのことを信じてもらえました。

先付け小切手の無効化

同時に、まだ支払われていない小切手の無効化をしました。

小切手には日づけが入っており、その日づけ以前には引き出せないようになっていたので、後半ぶんは無事だったんですね。

銀行へすぐに連絡して指示をあおぎ、手続きをしました。

新しい小切手での家賃支払い手続き

そして、改めて家賃の支払いのための小切手を用意。

この小切手はフィリピンにいる人しか引き出せないようになっているので、誰に渡すかが問題です。

Aさん

「親戚のフィリピン人にお願いするよ。」

Aさんは信頼できる親戚だというフィリピン人男性を代理人として指名しました。

ここでもう一度我が家も警戒します。

この代理人がニセモノだったらどうしよう??

いろんなことが疑わしく感じられてきますよね、、。(´_`。)

確実に間違いない人物だと示すための身分証明書Aさんとの関わりがわかる書類を出してもらい、当日本人にも証明書を見せてもらって、小切手の支払いに至りました。

サラッと書いてますが、このあたりのやり取りはほんと大変だったと思います。

夫が忙しい中でがんばってくれました。

契約書は形式的に不備はなかったですし、ブローカーをBさんに指定したのはAさんなので、我が家の落ち度はないはず。

とはいえここは外国なので、盗られた家賃半年分を払えと言われるんじゃないかとずっとドキドキでした。

そんな大金、理不尽な理由で払えない!o(;△;)o

Aさんが理解してくれて本当にほっとしました。

詐欺の詳細②

2回目の更新

ほとぼりが冷めてめでたしめでたし、となるかと思った今年の更新。

ちゃんとしたコンドミニアム経由のブローカーさんを雇ったということでAさんから契約更新の話がきました。

正直、家賃の値上げの提示があったり、去年のゴタゴタがあったりしたので引っ越そうかとも考えましたが、、

BGCの家賃相場の値上がり、半端ない。(T◇T)

周りのコンドミニアム、今の部屋と同じ条件にしたら軒並み1〜1.5万ペソ(≒2〜3万円)以上の相場アップです。

いくつか不動産屋さんなどに物件を紹介してもらいましたが、撃沈↓↓

そして、私は今のお部屋を気に入ってるんですよね。環境といい、間取りといい。

ということで、契約を更新することにしました。

すると、、その更新する契約書で再び衝撃の事実が!!

あれ??新しいブローカーが提示した契約書のデポジットが「1ヶ月分」になっている。

我が家が預けているのは2ヶ月分のはず。

↓↓

ということで確認してもらったら、Aさんのところに送られていた最初の契約書(2016年)が「1ヶ月分」になっていることが判明。なんで??

↓↓

  • Bさんが契約書を偽造してAさんに送付していました。

よーく見ると夫のサイン(漢字)が違っていたんですけど、私もちゃんと見るまで気づきませんでした。

フィリピンの公文書には「公証(Notalize)」と呼ばれる、公的機関のお墨付きをもらう手続きがあるんですが(公証No.〇〇と記載される)、

偽造の契約書はデポジットの項目が書いてあるページだけ差し替えられていたので、有効な公証があるように見えました。

日本だと賃貸契約って分厚いノートみたいに製本してハンコを割印にしたりするのですが、フィリピンはホッチキス止めだからこんなことができてしまうんですね、、、(・・;

ということで、Bさんの詐欺は2016年の最初の契約から始まっていたことがわかったのでした。

もうここで再びガックリ。

Aさんの落胆はうちの比ではないと思いますが、、、。

Aさん

「〇〇(夫)はBの件で協力的だったから、言う通り2ヶ月で契約しよう。」

と言ってくれました。

本当は家賃の値上げの代わりいろいろリクエストできるところですが、夫が「もう面倒なことを提示したくない」と疲れていたので、そのまま特別なリクエストはせずに更新しました。

夫、ありがとう。(T^T)

最初の契約のときに「この部屋にしよう!」と推したのも、ずっとBさんCさんとやりとりしていたのも私だったので、すごく落ち込みました。

借り手側の対策として考えられること

今回のBさんは大規模に詐欺をしたみたいなのでレアなケースかもしれませんが、対策として考えられることをあげてみます。

  • 賃貸契約は信頼できる不動産会社・ブローカーに依頼する
  • オーナーの連絡先を確認しておく
  • 重要書類は第三者の目で確認してもらう

我が家はインターネットの不動産情報サイトを利用したのですが、残念ながら良くないブローカーに当たってしまいました。

インターネットの賃貸情報サイトには以下のようなメリットがあります。

  • 家賃相場を知ることができる。
  • 不動産会社が持っていない物件が多く公開されている。
  • 家賃が不動産会社に依頼するよりも少し割安な物件が多い。
  • 仲介手数料がかからない。

ですので、インターネットの不動産情報サイトを利用すること自体が悪いわけではありません。

ただ、契約のときにちゃんとしたブローカーかどうかを見極める必要があるのだとわかりました。

信頼できるブローカーとは

信頼できるブローカーの例
  • ブローカーの専門資格を持っている。
  • そのコンドミニアムで信頼を得ている。

日本だったら、不動産知識があるとかゴリ押ししないとか人柄的なものも判断基準になると思うんですが、フィリピンだともっと基本的なところからなのかな、、と思いました。

この件があるまで知らなかったんですが、フィリピンでは「不動産サービス業法(RESA)」というものが2009年から施行されており、不動産事業に関わる人が資格を持つことを法律で定めているそうです。


参考
10 Things You Need to Know about the RESA LawLamudi Philippines

ただ、「親戚の不動産を代わりに管理する」といったケースなど、まだまだ資格なしで仲介業をしている人が多い様子。

今となってはBさんがこの資格を持っていたかどうかは確認できませんし、資格があったとしても詐欺をする人はするかもしれないのですが、、ひとつの目安にはなるのかなと思います。

また、コンドミニアムのなかで何件も仲介をしているブローカーさんなど、客観的な信頼を得ている人であることも目安になるのかなと。

これに関しても、絶対の基準ではないなあというかんじですよね^^;Bさんは違うコンドミニアムで複数の物件を担当していたわけですし、、、。

日本人の方は不動産会社を利用する人が多いので、今回みたいなブローカーに当たることはないかもしれませんね。

いずれにしても、メールやViberなど、オーナーさんと直接やりとりできる環境にはしておいたほうがいいのかなと思いました。

また、うちの場合は契約書を夫の会社の弁護士さんなど第三者に目を通してもらっていたのでこちら側の不備を指摘されずに被害を免れた部分もあるのかなと思います。

今回はオーナーさんが外国人だったので外国人同士のやりとりになりましたが、相手(オーナー)がフィリピン人だった場合、この国において外国人は不利であるというのは考えておかないといけないなと思います。

貸す側の対策として考えられること

不動産を購入したことがないので細かい話はわからないのですが、うちの詐欺のケースだけをふまえると、以下のことをしていれば防げたかも?と思います。

  • 信頼できるブローカー・不動産会社に仲介を依頼する。
  • 小切手の引き出し先を親戚などブローカー以外にする。
  • 契約書をブローカー側だけでなく借り手側のものと合わせてチェックする。

信頼できるブローカーに任せるのはもちろんだと思いますが、他の条件がひとつでもあれば、トンズラの前に食い止められたのかも、と思います。

不動産サービス業法(RESA)の資格は「フィリピン国籍を有するもの」と明示されているので、自分で管理をしない外国人はフィリピン人に頼る必要があるのがポイントですよね。

日系の不動産会社もたくさんありますが、日系だからといって無条件に信頼できるものでもなく。

フィリピン国外にいながらフィリピンの不動産管理をすることの難しさのひとつでもあるのかなと思います。

まとめ

まさか自分が巻き込まれるとは、というかんじになってしまった今回の詐欺事件。

今の時点ではひと段落しましたが、一度こういうことがあるといろんなことが疑わしく思えてきます。

多くのフィリピン人はいい人だと思うのですが、残念な思いをしないために自衛が必要な国なんだなと改めて認識しました。

皆さんの被害がありませんよう祈っています。

長文読んでいただきありがとうざいました。m(_ _)m

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