2021年1月、日本人を初め多くの外国人が住むBonifacio Global City(BGC)エリアに待望の日系クリニックがオープンしました。
2021年5月現在、オンライン診療のみでスタートしています。
診療科は幅広く、クリニックでは珍しい心療内科などの専門分野も対応。
先日夫が少し体調を崩したときにオンライン診療を受けてみたので、流れと体験記をまとめてみます。
また、Instagramで気になるポストを発見。小児の健康診断もしてくれるというのです。
日本だと6か月健診、1歳半健診、3歳児健診など、赤ちゃんから幼児に成長する節目ごとに保健センターなどで身体的・精神的な発達をチェックしてくれる機会があります。
でも海外ではなかなかそういう機会がありません。
ということで今回、うちの息子(4歳7か月)の発達チェックもお願いしてみました。
この記事では、以下のポイントでまとめます♪
- ひばりクリニックの基本情報とメリット
- 実際に受診したときの様子
- 感想、今後に期待すること
HIBARI Clinic(ひばりクリニック)とは
ひばりクリニックは2015年に日本企業を母体としてマレーシアでオープンしたクリニック。
現在マレーシアに6箇所、USAに1箇所クリニックを展開し、今年初めてフィリピンマニラのBGCに開院したとのこと。
Hibari Clinicの基本情報
住所:Unit 1201 High Street South Corporate Plaza, Tower 1, 26th Street Corner 9th Avenue, BGC, Taguig
診療時間:9:00-13:00, 14:00-18:00
診療科:総合診療科(内科、小児科、皮膚科、婦人科、耳鼻科、眼科、外科、心療内科、泌尿器科 ほか)
LINE ID:@hibariclinicph
Web:http://hibariclinic.com/ph/
Facebook:https://www.facebook.com/hibaribgc/
クリニックはBGC(ボニファシオグローバルシティ)という外国人や富裕層が好む治安の良いエリアにあります。
家族連れに人気のSerendra(セレンドラ)というコンドミニアムの目の前、かつ日本人学校やISM(インターナショナルスクールマニラ)からもアクセスしやすい場所です。
クリニック内にはエコー、血液検査、尿検査、レントゲン撮影などができる設備も備えているそうです。
今はオンライン診療のみで利用できませんが、対面診療が始まると移動せずに検査できるので便利ですね。
Hibari Clinicの特徴・メリット
- LINEを利用し、日本語で診察の相談や予約ができる
- オンライン診療で薬剤の処方までしてくれる(デリバリーも)
- 総合診療科として、内科、小児科、婦人科など9の診療科に対応
- 各種の海外医療保険対象(一部はキャッシュレス対応)
- 年中無休
- 日本の各科の専門医がアドバイザーとして提携している
- 専門的な治療が必要になったら、適切な医師に紹介してもらえる
*Webでは木曜日休診となっていますが、現在は毎日オープンだそうです。
総合診療科とは
総合診療科とは、General Practitioner(GP)という町のかかかりつけのお医者さんの考え方。
日本ではちょっと具合が悪いときにはじめから皮膚科や泌尿器科など専門の町の診療所に行くこともあります。
一方、フィリピンをはじめとして、GPというかかりつけのお医者さんに診てもらい、専門的な治療が必要となって初めて専門の診療科や大きな病院に行くという国も多いですよね。
ひばりクリニックでは幅広く内科を専門として経験されたフィリピン人医師がそのGPを担当されています。
このシステムだと、
と迷わなくて済むというのが大きなメリット。
また、日本人会クリニックの一般診療が再開していない今、具合が悪いときに日本語で相談できるのは心強いですよね。
なかなか大きな病院に行きづらいコロナ禍では、自宅にいながらオンラインで医師に相談できるという安心感もあります。
もちろん、さらに検査や対面診療が必要な場合は、自宅での訪問検査やセントルークスなどの専門医の紹介もしてもらえるそうです。
提携している日本の専門医からセカンドオピニオンを取り入れているというのが心強いなと思います。
また、以前セントルークスの紹介システムで紹介された医師がいまいちだったことがあるので(あくまで空き状況などで紹介されるため)、
医師の目からみた適切な専門医を紹介してもらえるというのもメリットだと感じます。
実際にオンライン受診をした様子(体調不良のとき)
夫がひどい顔面痛+頭痛、大量の鼻水で仕事に支障をきたすような程度になってしまったので、オンライン診察を依頼してみました。
受診までの流れはこんなかんじ。
①LINEを登録
WebサイトトップのQRコード、またはID検索(@hibariclinicph)でひばりクリニックのLINEアカウントを登録します。
②診察予約をとる
日本語で症状や相談したいことなどをメッセージすると、担当の方からすぐに返事がきました。
③必要書類を準備
予約が確定すると、以下の内容の提出とLINE登録依頼が来ました。
- 登録フォーム
- パスポートの写真ページのコピー(本人確認)
- オンライン診療専門のLINEアカウントの登録
登録フォームはこんなかんじで、Google formになっています。
名前や連絡先のほか、既往歴(もともと患っている病気)やアレルギーの有無など患者情報を登録します。
住所とか郵便番号まで必要なので結構細かいです^^:もうちょい簡単なフォーマットになるといいな。。
医療保険を利用する場合は、その関連情報なども提出するようです。(うちはフィリピンローカル保険なので今回は対象外)
④オンライン診察を受ける
予約時間になったら、登録したLINEアカウントからコールがあり、診察開始。
医師と通訳の方と同時につないで診察してもらえます。
問診の内容はだいたいこんなかんじだったそう。
- どんな症状が出ているか
- いつからその症状が出たか
- これまで同じ症状が出たことはあるか、ある場合はどう対処したか(薬の有無も含め)
- アレルギーの有無
- お薬について
- 今後の受診について
今回の夫の場合は、(やっぱり)持病の副鼻腔炎の悪化とみられるとのこと。
お薬で7−10日様子をみて再診することとなりました。
今後お薬の効果がもしなければ抗生剤の変更やレントゲン・CTなどの対応を検討するとのことでした。
診察時間は30分くらいでした。
⑤お薬がある場合は届けてもらう
診察でお薬が必要となったら、処方箋がでます。
希望すればデリバリーしてもらえます。デリバリー範囲はメトロマニラだけでなく、リパやバタンガスの方までしてもらえるそう。
今回のお薬は、抗生剤、ステロイドスプレー、痛み止め、鬱血改善のスプレー。
わかりやすい日本語の「お薬の説明書」もついていました。
⑥費用を振り込む(実費の場合)
海外医療保険の場合はキャッシュレスだと思うんですが、実費の場合は銀行振り込みとなります。
今回は初診料(580ペソ)、診察料+通訳費(4800ペソ)、お薬代(1820ペソ)でトータル7200ペソでした。
痛い出費 (ToT)
でも現在コロナ禍で完全引きこもりをしている我が家としては、耳鼻科探しの手間や病院・薬局で長時間の待ち時間なく受診できたのはとても助かりました。
実際にオンライン受診をした様子(小児健康診断)
別の日に息子の健診も予約してみました^^
乳幼児健診の費用はなんと無料!!ありがたや〜!!(Lineからの申し込みに限り)
予約までの流れは成人のときと同じです。
健診の様子
健診では、4歳7か月の息子と親(私)が同席しました。
聞かれたのは大まかにこんなかんじ。
- (本人へ)年齢、名前、あいさつ(ごはんたべた?なに食べた?など)
- (本人へ)好きな食べものは?好きなおもちゃは?歌は歌える?
- 健康面:生まれてからこれまでの受診歴、既往歴
- ワクチン接種状況
- 身長/日頃の体調の様子(貧血など)
- お口の中の様子/歯磨き習慣
- 認知発達について:絵本が読めるか、好きな遊び、家族や友達との関わりの様子、お絵描きやハサミなど
- 運動発達について:片足立ち、階段の上り下り、着替え、トイレ、指先の細かい作業が可能かなど
- 母の様子(精神的なストレスの有無など)
- 心配なことは?
最後の「心配なこと」について私の質問が長かったので、トータル1時間ちょいお話ししてもらったかんじでした。(息子は飽きて途中離脱)
医師も通訳の方もフレンドリーで、人見知りの息子でももじもじしながらおしゃべりできていたので良かったです^^
感想、今後に期待すること
感想(成人体調不良)
夫の感想としては以下。
- 移動や待ち時間なしで受診できるのは忙しい立場としてとても楽。
- (英語は日常生活では問題ないものの、)具合が悪いときに専門用語を使った説明などを聞く、話すのは疲れるので、通訳がいると楽。
- ローカルの保険(HMO)が使えると助かる。
総合診療科ということで、耳鼻科の専門の医師の診察ではないというのがどんなかんじなのか個人的には気になっていたのですが、症状の詳細やお薬の方針など明確に提示してもらえたので良かったです。
ほんとに日本の町のお医者さんというかんじですね^^
メンタルケアや神経系など、はっきりと診療科の判断が付きづらいようなぼんやりとした症状の場合、特にGPのメリットが活かされるような印象です。
感想(幼児健診)
幼児健診の感想としては、、
- 無料でみてもらえるのはありがたい!
- 年齢相応の発達の具合の目安を知れたので良かった。
- 日本語と英語両方使っている分、言語の発達レベルなどは日本の同世代を基準にしにくいと感じた。意思疎通の方法などを両言語の面から評価してもらえるのは良かった。
- 成長発達で気になるちょっとしたことを相談する場として貴重
- 息子の集中力の維持が難しいので、息子本人への質問は最初にまとめてもらえると助かる
我が家はこれまで一時帰国のときにかかりつけの小児科医師に全身の診察をしてもらってきました。
でも3歳以降帰国できておらず、成長発達についてはちょっと気になっていました。
日本の保健師による乳幼児健診を受けたことがないので単純な比較はできないのですが、医師から具体的な発達の様子などをできる・できないという質問で評価してもらえるのは貴重な機会だと感じました。
また、本人だけでなく母親や兄弟との関わりなど、周りの環境についての質問もあり、ひとり育児などでストレスフルになっている親御さんの相談窓口としても有効であると感じます。
今後に期待すること
全体的に、オンライン診療や幅広い診療科など、とてもありがたいクリニックだなと感じます。
今後お願いしたいことを敢えて書くとすれば、、
- HMO(ローカルの保険)対応してほしい
- 日本人会みたいなメイドさんの健康診断のパッケージがあると良い
- 勉強会などのイベントができるようになると良い
①実費だとなかなかの出費なので、HMO(ローカルの保険)も対応になってくれたらとても助かります!!
HMO(Health Maintenance Organization)はフィリピンの民間医療保険のこと。
多くは企業が社員への福利厚生として導入しており、使用できる施設や医師、診察費の上限などのプランの違いによりカバーされる医療費の範囲が異なる。
②メイドさんやドライバーさんなどの簡易的なアニュアルチェックアップのパッケージがお安くできるといいなーと思います。
日本人会クリニックにもあるんですけど、今はちょっと遠いので^^:
③これは完全に個人的な目論見なんですけど、未就学児の家族が繋がれたりする勉強会やイベントが将来的にできるようになるといいなあと思います。
前に日本人会の医師や歯科医師にご協力いただいてボランティアメンバーで企画運営していた応急処置やアレルギーの勉強会とかをできる機会がなくなってしまったんですよね。
あと、処方箋なしで買える市販薬の勉強会などもしてほしいなと。胃薬や皮膚の外用薬など、日本だと簡単に買えるような常備薬でフィリピンのおすすめのものなど知りたいですよね。
マレーシアのひばりクリニックではクリニック主催のイベントが開催されている様子なので、パンデミックが落ち着いてからの開催を期待しています。
まとめ
初めてひばりクリニックのオンライン診療を受けてみました。
- 予約から診察、お薬の説明や手配まで日本語で完結するのは具合が悪い時に助かる。
- 診療科がわかりにくい症状の時などに相談しやすい。
- マニラで幼児の発達相談ができるのは貴重。
体調不良などでお世話にならないに越したことはないですが、いざというときに頼れる場所が増えたのは良かったです^^
少しでも参考になれば幸いです♪