意外とご近所の国、フィリピン。特にますます勢いをます首都マニラは、英語で生活できることから、日本人が多く活躍しています。
私がマニラに来てから5年目(2019年)に、人材会社での現地採用として会社員生活を送っていました。
就活は水モノ、ご縁だなという部分が大きいなと感じています。
ここでは、フィリピンで仕事を探したい、海外就職でキャリアを積みたい方のために、人材会社を内側と外側で体験した立場として以下の内容を(本音で)まとめます。
- 転職サイト
- 人材紹介会社
- どんな業種・職種にニーズがあるか
- 案件を見るときの注意事項
どの人材会社もビデオ通話ツールや電話でのカウンセリングがあるので、フィリピン渡航前に相談することができます。
ただ、担当者や時期により希望に沿った案件を紹介されないこともあるので、できれば一箇所ではなく複数登録し、就活サイトとも比較することをおすすめします。
フィリピン就職について知っておきたいお給料相場やビザなど基本情報についてはまた別にまとめたいと思います^^
*2021年1月現在、新規労働ビザの発給は停止もしくは著しく制限があることから、フィリピン就職の時期については政府や大使館などの信頼できる機関からの最新情報をふまえることをおすすめします。
転職活動サイト6選
フィリピン就職に関するサイトはいっぱいあります。そのなかで、比較的更新されているかな?と思われるサイトをピックアップしてみます。
doda
日本の大手転職エージェント、Persolが運営している転職サイト。フィリピンではJohn Clements/Persolの担当する求人が掲載されています。
会社名入りなのでどんな求人があるのかざっと見やすいです。
また、非公開求人も多く取り扱っているほか、面談登録すると希望にマッチする求人を探してくれたり、履歴書のアドバイスなどももらえます。
Webサイト:
マイナビ転職グローバル
マイナビの運営する転職サイト。REERACOENがよくポストしています。それ以外にも、製造業など会社名非公開の駐在員案件も複数見られます。
Webサイト:
https://tenshoku.mynavi.jp/global/
カモメアジア転職
おすすめ。フィリピンの案件が比較的多い印象です。更新も頻繁にあり、登録するとマッチしそうな案件を紹介してくれることも。
スカウト機能もあり、ある程度自分の情報を入力しておくと企業から声がかかることもあります。
Webサイト:
海外JOB
こちらはほかと重複するエージェントの案件の掲載が多めなので参考までに見るという使い方でもいいかもしれません。
上記かもめのようにスカウト制度があるので、希望に沿った案件が入ったら知らせてもらうというのもアリです。
Webサイト:
プライマー/primer
マニラの月間情報誌、Primerの就職情報。
マニラ在住者は必ず知っている雑誌なので、企業の採用担当者が直接掲載するケースも多いです。
*Job primerというサイトもありますが、あまり更新されていないのでこの本家のPrimerのほうがいいです。↓
Webサイト:
ジョブポット/Jobpot
セブに特化した情報誌、cebu potの就職情報。現地密着の情報が多く、その分ほかのサイトにない新しいものが掲載されたりします。
Webサイト:
人材紹介エージェント7選
ここでご紹介するのはすべて日系なので日本人コンサルタントに相談できます。
フィリピンでは正直なところ、物価の違いもありJACリクルートメントやビズリーチなどの対象となるハイクラスの求人が出ることはまれである印象です。
そのため、ハイクラスを目指す人は上記のようなエージェントに登録しておいて日本採用から時期を待つなどの対応が必要になります。
一方で、下記のようなエージェントから紹介される企業でフィリピンでの海外就職の実績を積み、シンガポールや欧米での就職へつなげる方も多くいらっしゃいます。
キャリアコンサルタントとの相性もあると思いますので、少なくとも2社は登録し話を聞くことをおすすめします。
リクルートエージェント
日本のNo.1大手エージェントといえばリクルート。海外案件が他社と比べ5倍以上多く、非公開求人多数のため登録しておいて損はない会社です。
駐在案件もあるので、特に駐在案件を探している人にはおすすめです。
Webサイト:
GJJ海外就職デスク
転職情報サイトでもありますが、公開案件はそれほど多くないので海外就職の相談役としての人材紹介事業のほうがメインである印象があります。
はじめての海外就職を応援する、という立ち位置で、フィリピンだけでなく幅広い情報を紹介してくれます。
セミナーなどで最新の情報を公開してくれる機会も設けられています。
Webサイト:
https://www.kaigai-shushoku.com/
Johnclements Persol philippines/パーソルフィリピン
日本の最大手人材会のひとつ、Persol holdingsのフィリピンジャパンデスク。フィリピンでは老舗の人材会社、John Clementsと業務提携しています。
大手だけあって日系企業の知名度は高く、新規進出企業やエリア・業種に応じた求人を豊富に揃えている印象です。
一方、外資系は少ない印象があります(タイミングにもよるかもしれません)。
ここはビデオカウンセリングでした。面接サポートだけでなく、就職後のサポートがあるのが魅力のひとつ。
ここもほかのアジアに複数拠点を持つため、フィリピン以外の就職にも対応してくれる可能性があります。
Webサイト:
*日本人向けの求人はPrimerのPersolを参照したほうがいいです。
REERACOEN・リーラコーエン
人材会社Neo Careerのアジア版がREEEACOEN(ネオキャリアを逆から読んだ名前)。
そのフィリピン支店はマニラでも最も有名な人材会社のひとつです。
各種転職サイトにも求人を多く出しているので、日本からも見つけやすいかもしれません。
カウンセリングは電話でしたが、とても丁寧に説明してくれました。
取り扱いの案件が比較的多く、スピードも速い印象があります。
他のアジアの拠点もあるため、フィリピン以外も見たいときに相談しやすいというメリットがあります。
一方、スタッフの回転も速い印象があり、経験が少ない人に当たる可能性も、、。
疑問に思うことがあれば積極的に質問することをおすすめします。
Webサイト:
https://www.reeracoen.com.ph/ja
GENSAI
マニラの南の都市、タガイタイというエリアにある語学学校(Face to Face)と同じ経営母体の人材紹介会社。
ここのメリットは、語学学校で英語力を磨きながら週末を利用してマニラに視察にいき、就職前にマニラの雰囲気を体験できること。
定期的に社長さん主催の和カティという飲み会も開催されているので、留学中にタイミングが合えば実際にフィリピンで働く人の話を聞くこともできます。
全体的に若めの人が多い印象です。
Webサイト:
JK NETWORK SERVICE
JKはフィリピンローカル企業含め、日系企業以外も多く取り扱っている印象がある会社です。どちらかというとフィリピン人をターゲットにした求人が多いですが、日本人向けのものも紹介してくれます。
カウンセリングのあとばーっと案件を一覧で送ってくれるので、気になる会社を問い合わせるとサクサクとセッティングしてくれます。
ただ、、とっても強引な担当者もいます。
一度、私は希望していないけど先方の条件が当てはまる、という求人に勝手に応募され、面接まで行ったことがあります、、。
自分の思う以外に選択肢を広げるという考え方ではアリなのかもしれませんが、希望する仕事以外はおことわり、などスタンスを明確にしておくのも大事かもしれません。
Webサイト:
https://jknetwork-jobs.com/forApplicants_ja
SAGASS Consulting/サガスコンサルティング
こちらも現地密着の印象がある人材紹介会社。
私の条件が厳しかったのか、あまりレスポンスはありませんでした、、、
でも担当者の対応はいいという周りの評判もあります。
時期による案件の違いもあると思うので、問い合わせてみるとご縁があるかもしれません。
Webサイトなし:PrimerのSAGASSのページを参照
その他の探し方
時間をかけてゆっくりフィリピン就職を探したい人は、エージェントだけでなく直接応募も検討するといいかもしれません。
フィリピンに限らず、経営者の皆さんと話をすると潜在的な求人(いい人がいればいつでも採用したい、もしくは現職の人をクビにするなど公開で求人できないなど)は意外と多いように感じます。
フィリピン進出している企業で気になるところへ直接問い合わせしたり、経営者のTwitterをフォローすることで思わぬ求人情報を得られる可能性があります。
直接応募
日系企業だけでなく、外資系なども含め、気になる会社があれば直接Webサイトなどから人事に問い合わせてみる方法です。返信が必ず来るとは限りませんが、縁をつないでおくことが思わぬきっかけを生むこともあります。
エージェントを使わない企業でも多く利用しているのがLinkedin。
Facebookのビジネス版とも言われますが、SNSのような機能もあり、プロフィールを充実させつながりを増やしておくことでスカウトが来たり、メッセージを送れるような縁を作れることがあります。
また、Linkedinで求人の募集を出している企業もあり、「Manila Japanese」などで検索して見ることができます。
スタートアップ界隈で多いのがTwitterを利用した直接採用。人事やCEOが求人募集を呼びかけていることがあります。
エージェントを利用しない分、仲介手数料がなくなるので採用側にとって大きなメリットがあります。
Jobstreet
英語が得意な人向けのあくまで参考情報ですが、、。
Jobstreetというサイトで「Japanese native」などで検索すると、日本語話者向けの案件が出てきます。
ただし、これはLinkedin同様、フィリピン人向けの求人がほとんどなので、ビザなし前提のことが多いです。
ですが、「JLPT N1/N2」という日本語検定が1級・2級向けの案件の場合、10〜15万ペソなど日本人(日本語ネイティブ)並のお給料のことがあります。
会社側としては、人材会社を通さず直接採用(高額な仲介手数料不要)というメリットから、経験値によってはビザ支給費用を負担したとしても選考の検討の土台に乗ることがあるかもしれません。
気になる企業が求人を出していたら問い合わせてみてもいいかもしれません。
Webサイト:
どんな業種・職種にニーズがあるのか
営業
日系企業では、業種問わず営業ポジションが定期的にあいてくる印象です。
フィリピンでは相手が日系大手企業でも、現地責任者クラスがお客様となることが多く、日本のビジネスマナーを備えた人材が重宝されます。
日本での社会人経験があれば営業未経験でもOKという案件も。
このポジションにおいては、英語はそれほど重要ではなく、社内コミュニケーションレベル程度しか求められない印象です。
第二新卒や30代前半の営業経験者にニーズがあるポジションです。
ITエンジニア(ブリッジ・プロジェクトマネージャー)
ITオフショア開発拠点として以前から伸びているフィリピンでは、ローカルエンジニアと日本側の本社もしくはクライアントをつなぐポジションのニーズが高まっています。
ブリッジ業務といって、本社との橋渡し(通訳や本部からの指示調整、納期管理など)を担うスタッフレベルのほか、プロジェクトマネージャーレベルで案件と人員を管理するポジションも求められています。
残念ながら、ローカルITエンジニアがたくさんいるので自分でゴリゴリ開発をしたい人向けのエンジニア案件はあまり見かけません。
製造業管理者
製造業の工場長など責任者ポジションの求人はいろんなサイトで見られます。
駐在員待遇の案件がよくあるのもこのポジション。
現地スタッフをマネジメントする必要があることから、英語はある程度求められますが、人材がいないので実務経験を重視します、というのも多い印象です。(英語が得意でない場合はあとから通訳を雇ったりします)
経理・総務
意外と日系企業で定期的に見かけるのが経理や総務ポジション。
ローカルスタッフにお金まわりのことは任せにくいという場合や、総務という細かいところにまんべんなく気が利く、といった日本人を求めるという場合に開くポジションです。
通訳・秘書
語学力を求められるポジション。通訳のみの案件は少なく、現地責任者の秘書を兼ねた案件が多い印象です。
通訳のみもたまにあるようですが、フィリピン人の日本語話者にポジションを取られがち。日本人をあえて採用する会社は、ビジネスマナーや自主的な采配などを含めて期待されることが多いです。
カスタマーサポート
外資系によく見られるポジション。日本のお客様向けの対応なので英語をほぼ使わない、という案件もあります。
お給料はピンきりで、最低額の基本給+インセンティブや福利厚生でかさ増し、というケースも散見するので条件はよく見る必要があります。
案件を見るときの注意事項
手取り額に注意
GrossとNET
案件により、お給料が手取り(NET)と税込み(Gross)で表記されているものがあります。
フィリピンでは累進課税制度をとっています。
2018年に税率が変更され、0〜35%に改定されました。
日本人の現地採用の多くが働くことになるお給料レンジでは30%〜になることが多いです。
ただ、単純にGrossから3割引かれるわけでなく、一定の額を超えた分だけ30%引かれるというややこしい計算方法になっています。
Grossで表記されている場合は、tax Calculator(税金計算サイト)などで確認することをおすすめします。
◯DOF https://taxcalculator.dof.gov.ph/
政府公式なので他のサイトよりも正確です。ただしタガログ語なので使いにくいです。
◯newvoo https://neuvoo.com.ph/tax-calculator/
見やすいサイト。参考値がわかります。
*phili healthといった国の医療保険など福利厚生も含まれるので、日系企業では少しずれがあることも。
例)Gross 100000 php/month→NET 77082 php(≒16万円)
*税金、福利厚生除いた手取り
年額表記について
更に、年額表記の場合、年俸制または年間支給額に13month payという1カ月分の福利厚生が含まれているケースがあります。
13month payとは、政府が支給を義務化しているお給料のこと。退職時もしくは12月に支払われ、その年に働いた月数に応じて最大1カ月分が支給されます。
例)10万ペソで7月〜12月まで(6か月)働いた場合→12月にその月のお給料のほかに5万ペソ支給
*正確には税率などもっと細かく計算されます。
年俸制の場合は単純に年額÷12(賞与があるかどうかは企業次第)ですが、13month payが含まれている場合は年額÷13になるので、月額支給が想定よりも少なくなることがあります。
福利厚生も見比べる
住宅手当の有無(もしくは現物支給)、医療保険の有無が大きなところ。それ以外に食事手当があったりクリスマスギフト制度があったり、企業ごとに異なります。
住宅費用は特に大きいので、必ず有無を確認することをおすすめします。
*マカティなど都市部では住宅手当がつかない案件が多いです。
また、HMOという現地医療保険がつく企業も増えています。
これは海外旅行保険とは違い通訳サービスなどはつきませんが、現地の設備の整った私立病院を含め対象の病院を上限◯ペソまで受診できる、といった細かい条件のもと利用できるものなので、いざというときにあると安心です。
就労ビザ支給は必須
企業によっては、ツーリストビザで勤務を開始し、就労ビザを試用期間(通常6か月)後から手続きするということが未だにあるといいます。
どこの会社もやっているから、と説明する会社もありますが、これは違法です。
フィリピンは手続きが遅い国で、特にコロナ禍では就労ビザ(9GやPEZAなど)の発給が滞っているため、ビザの申請から発行までに数か月かかることはあります。
重要なのは、フィリピンでの就労開始と同時に就労ビザ発行手続きを行う(プロセスを開始する)ということです。
ビザなしでの就労で検挙された日本人の例が過去にありますので、ビザの発給について曖昧な会社は要注意です。
某就職掲示板は条件に注意
これはすべてを否定するつもりはなく、まったく個人的な見解として参考までにお伝えしておこうと思うんですが、フィリピンの就職に関する誰でも投稿できる掲示板が存在します。(検索でもわりと上位にヒットします)
もちろんちゃんとした案件もあるのですが、ビザの問題が不透明(実はビザ支給なし)だったり、振り込め詐欺などのような犯罪に関わる案件も紛れていることがあります。
利用する場合はまっとうに経営をしている会社であるか確認する、ビザ支給ありなどの明記を確認するなど、条件に十分注意する必要があります。
まとめ
英語を使った海外就職の入り口として人気のあるフィリピン就職。
現地に密着した情報として、求人情報の探し方やエージェントをご紹介しました。
◯おすすめ転職サイト
◯エージェント
- リクルートエージェント
- John Clements/Persol Philippines
- REERACOEN
少しでも参考になれば幸いです。